今年の初め、畑は焼き鳥をつまみながら「俺、最近普通に働いて結婚とかしてみるのもいいかもと思い始めた」と、彼女がいないくせに言っていた(気のせいだったらしい)。少しジャンルは違うが、最近自分がよく感じる「喫茶店でコーヒーを淡々と入れてるおじいちゃんに対するリスペクト」みたいなものは、昔の自分じゃ感じることができなかった。今「いいな〜」と思うもののうちの半分ぐらいは、10年前の俺に言わせれば「おもんない」もの。
本当に10年前の俺はパッキパキに尖っていて、もはやバカだった。「就職するやつは全員カス」だなんて暴論を振りかざすぐらい。そんな1番バカで危なっかしい時代を、同じようにバカで危なっかしい奴らとこの大池で過ごしていた。
あの頃の俺が今の俺を見てダサいと思うのか?どうだろう、もちろんダサい訳はないのだが。たくさんの電撃をくらいまくり、固定概念を打ち砕かれ、挫折し、成功し、今がある。つまり当時の俺より今の俺の方がイケてるに決まっている。だから昔の俺に教えてあげたい、まだ見ぬ面白いこと、かっこいいこと、楽しいこと。そして自慢したい。いい仲間がいるんだぜ、ってこと。
今年の大池音楽祭のテーマは『一人と一人』。
自分勝手な感情で、自分勝手な声を感じてください。
こすけ
もう随分と昔の事のように感じる。
第1回目となる大池音楽祭の開催から2年。その内に、世の中も自分も色んな事が変わった。
何時ぞやのように、大声を張り倒してギターをぶん投げるような演奏はもうしていない。認めたくはないけれど、大人になってしまったのだ。
10代の頃、僕らは夜な夜なこの大池に集まっては、何かやらかそうとヘンテコな時間を過ごした。映画を撮ろうだったり、バンドをやろうだったり、はたまたナンパをしようだったりと、有り余ったエネルギーの行先を血眼になって探していた。
その時から丁度10年になる。あの頃の自分が今の僕らを見たらどう思うやろうか、そんな話をこすけとしていた。
変わった事もあるし、変わらない事もある。
相変わらず口を衝いた答えは、いとも容易く形を変えてしまうし、そのせいで随分遠回りもした。
それでも、その中で出会えた人達や音楽には胸を張れる。最高な音楽が響く祭りに向けて、準備を進めている。
茹だるような暑さが続く中、大池の使用許可を貰いに管理所へと出向く。電車で向かうよりバスの方が安い事に気づいた分だけ、前より少し大人になっている。ここ来る度に夏を感じるんやろなぁ、なんて言葉に、青春の匂いが続く。
「一人と一人」それぞれが、それぞれの景色を分かち合えますように。
大池で待ってます。
畑拓朗
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