もえ子


自分の観た景色・感じた感情を濁りなく音楽にすると言うのは凄まじく難しいことで、音楽をやっている人は何十年経ったってぶつかり続ける壁なのだが、ほぼ初めからナチュラルにそれができてしまっていた女の子。初めて出会ったのはもえ子ちゃんが確か17歳だった頃、学校の友達に「大丈夫?忘れ物ない?」って言われながら来て、めちゃくちゃいいライブして、ほとんど喋らず帰っていった。尖ってはいなくて、単純に話すのが苦手みたいで。クールになっちゃうとこ含め最高の歌歌い。

(こすけ)

 

2年前初めて共演した事を思い出す。その当時、歌を歌うという事を放棄していた僕は、存分に叫び散らかし存分にスベリ散らかしていた。放心状態でライブを見ている中、その日最後の弾き語りのステージにもえこちゃんが立つ。それは凄まじかった。少女の見る風景が、情景が、ありのままに音楽になって僕を包んだ。その日、彼女は誰よりも真っ直ぐに歌を歌っていた。とびきりに輝いて見えた。その姿を見て僕は、歌を歌おう…と心に決めたのである。

僕にとって大きなきっかけをくれたアーティストです。

 (畑拓朗)